『社員への手紙 佳澄さんという美容師』

佳澄さんは美容師ではありませんが

美容師のカットなどの業務が

できないだけで科学的なこと

理論的なことも含め美容業について

わからないことはありません

 

たった4名の美容室で

佳澄さんのような受付嬢がいることは

極めて贅沢なことだと思います

 

佳澄さんとの出会いは

10年ほど前になります

当時取引のあった

広告代理店の営業職だった佳澄さんの

退職を期に

シービスケットにきてくれました

その頃の私はビックマウスで

偉そうなことばかりを言って

威張ってばかりいました

店舗も2箇所にあり勢いもあったためか

そんな私の口車にのり

佳澄さんはやってきました

 

佳澄さんは

有名大学の教育学部を卒業しており

語学も堪能で英語、ドイツ語を話せる

とても優秀な女性です

美容室の受付嬢ごときの

職業に収まっているような

人間ではありません

にも関わらず

縮小していくシービスケットの業務内容に

なんの文句も言わず

ついてきてくれています

 

佳澄さんの業務は予約の管理

DMや店内掲示物の製作

材料管理

時にはお客様の

髪型やメニューの相談など多岐に渡ります

そんな佳澄さんのスーパー仕事ぷりに

助けられお客様の髪だけに

集中できています

 

 

 

最初のお店を開業した時に

私についてきてくれた

一人の美容師がいました

のちに彼に一号店を譲ることに

なったのですが

右腕として私を支えてくれた

彼がいなくなる時も佳澄さんは

私を黙って支えてくれました

 

丁度1年前に店の運営に関して

佳澄さんと口論になりました

私は佳澄さんが辞めてしまうのではないか

という恐怖を初めて感じました

その時に気づいたのです

私は最初のお店を開業する時も

そして

一店舗になった今も誰かを頼っていると

一人でやる覚悟が最初からなっかたのだと

無駄に威張っていただけだと

 

 

 

 

去年の3月14日に決めました

威張るのはやめようと

佳澄さんとの口論から1年が経ちました

威張り続けていた私が自分自身への戒めに

事務所の壁に

三月十四日

と貼っておきました

威張り病は完治できています

あんなに威張っていた自分に

変わる機会を与えてくれたのは

佳澄さんです

10年前に私に期待しきてくれた

ことに答える責任があるのです

 

春企画『コロナに負けるな!』で

お客様にラベンダーの苗を

プレゼントさせていただいています

佳澄さんがお客様に

「このラベンダーの方が大きいですよ」

と言ってラベンダーを

選んでいる姿をみると

感謝の気持ちでいっぱいになります

佳澄さんありがとうございます